イェルク・デームス、阿久津麻美 コンサートのご報告
11/15(日曜日)の午後ウィーン・ロマン派の最後の巨匠イェルク・デームスのピアノと阿久津麻美さんのソプラノのコンサートが終わりました。
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もうじき87歳になられる方のピアノとは思えない繊細な指から生み出されるみずみずしさと研ぎ澄まされた音楽の魔法。なんだろう、この感覚・・・と目をつぶりながらその世界に入り込んでしまいました。伴奏者としても世界的に有名なデームスさんの伴奏で歌うソプラノのソロで、特に一音一音、そしてドイツ語の発音の完璧さと美しさ、日本語の歌でもこれほど丁寧に日本語の情感豊かな歌は見事でした。
ピアノのソロでは、ドビュッシーには鳥肌が立ちっぱなし、そしてアンコールの「エリーゼのために」は今までに一度も聞いたことのない「エリーゼのために」でした。語りかけているようで・・・これが「エリーゼ・・」なんだと、今まで技巧ばかりに走った「エリーゼ・・・」しか聞いたことがなかった私の頭はちょっと真っ白。
チラシのデームスさんの言葉にもありますが、清水のこのホールのベヒシュタインはかつてデームスさんが所有していて、彼は「このピアノでドビュッシーをものにした」とあります。ドビュッシーは「すべてのピアノ曲はベヒシュタインのために書かれるべきだ」とあります。実は前回デームスさんは控え室で静かに出番を待つか、ベヒシュタインで指慣らしをなさっていたのですが、今回はホール1階のグランドピアノのそばを離れません。そしてベートーベンのソナタやバッハを弾きまくっていたのです。以前このホールで数十年ぶりにかつてご自分が所有していたベヒシュタインの前に立った時に「昔の恋人に巡り合ったような気持ちだ・・・」とおっしゃっていたので今回もすぐさまベヒシュタインの前に向かうと思っていたところ、本番でいきなりベヒシュタインに向かいました。まるで、再会をそしてその抱擁の感触を本番で楽しむかのようでした。
益々頑固なワガママを言うようになったと、お世話に当たり、あたふたしていましたが、時折ニコッとする悪戯っぽい微笑みに救われ、「遠慮なく言いたいこと言ってくれるようになったんだ」と嬉しくも思いました。いつまでもお元気で・・・
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by olivemomo | 2015-11-17 16:21 | 音楽 | Comments(0)
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